憲法
憲法は、基本原理や法源などの総論部分と、人権および統治機構の3つの分野から構成されています。
このうち出題の中心は、人権と統治機構であり、この2つは、ほぼ均等に問題が出題されています。
3つの分野を比較してみると、大きな特徴として、人権と統治機構では全体から問題が出題されていますのに対し、総論部分では出題は特定のテーマに限定されていて、出題される部分とそうでない部分の差がはっきりしている点が挙げられます。
以下、個別に具体的な傾向を見てみましょう。
総論部分
総論部分の出題は前文と9条、天皇制が中心に出題されます。その他には、法の支配や憲法規範の特質などからも出題があります。出題内容は、前文については穴埋め問題や前文で記載されている事項かどうかを選択させるもの、9条については1項と2項の理論的な整合性に関する論理形式の問題や特定の判例に関する一般的な知識問題が中心です。天皇制に関しては条文の知識問題が大半を占めており、特に新しい論点もないことから、条文の知識を正確にしておけば、対策としては十分と思われます。
人権
人権では、全体から出題されていますが、その中でも一般原則の部分と精神的自由の分野での出題が多い傾向にあります。
一般原則では、法人や外国人の人権に関して判例が多いことから、判例を素材とした問題が頻繁に出題されています。また、憲法の私人間効力では、学説の対立を前提とした論理問題が、さらに特別の法律関係では、法理論と判例知識の混合問題が多く出題されています。
精神的自由では、内心・信教・表現・学問という4つの自由のうち最も出題数が多いのは表現の自由であり、また信数の自由についても出題が多いです。出題形式では、判例を素材とした知識問題が大半を占めています。
一般原則と精神的自由以外では、幸福追求権、法の下の平等、人身の自由、経済的自由、社会権、参政権などの出題が多いです。このうち、参政権では、近時、選挙関連で最高裁判所の判例がいくつか示されていて重要度が高まってきており、要注意の分野といえます。それ以外では、幸福追求権と社会権の中の教育を受ける権利からの出題が目立っています。後者については、教育基本法の改正問題などから、社会的な注目度が高まっていることが背景にあるものと見られ、今後も出題が続くことが予想されます。
統治機構
統治機構では、国会と司法権の2分野からの出題が多く、その他には、内閣と地方自治、財政などの出題が多いです。
出題形式は、司法権の限界のように判例が多数存在する分野を除き、条文の知識を問う問題が大半を占めています。理論問題については、憲法41条の立法の意味や国民審査の性質などに限られていますし、その上出題形式も限定されるため、出題数はそれほど多くはありません。条文の問題は、憲法の理解を試すというよりは知識の確認の問題が多いため、ここ数年は空欄補充や下線部の正誤判断など、出題形式の変わった問題が多くなってきています。ただし、出題形式が変化しても問われる内容自体は変わらないので、知識を正確にしておくことが前提となります。
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