行政法
行政法は、平成に入ってから行政手続法や情報公開法などが出題範囲に加わり、また非権力的行政活動からの出題も増加してきたことから、出題内容に大きな変化が生じた時期がありました。しかしながら、最近ではこうした変化した出題内容がそのまま定着してきていますので、傾向的に安定した状況を示しています。
出題分野は、行政作用法と行政救済法からの出題が問題の大半を占めています。ある年度での出題では、行政作用法と行政救済法以外の分野からの出題は、国家T種(法律)は12問中2問、国家U種・国税専門官では出題がなく、地方上級の全国型では5問中1問といった状況で、その多くが行政作用法と行政救済法から出題されることが示されています。
行政作用法
まず行政手続法は、平成5年の成立以降、現在に至るまで一貫して出題が続いていますので、すでに行政法の出題の中核を占めています。ただ、これまでの出題によって、行政手続法の分野はほぼ出題されていますので、最近では類似の問題が繰り返される傾向が生じています。これに加え、平成12年度以降、情報公開・個人情報保護関連の出題が増加してきていることなどから、行政手続法は以前よりも出題数が減少する傾向を見せ始めています。
次に情報公開法・個人情報保護法は、行政手続法と同様、法律の制定当初から出題が頻繁にあり、今後も行政手続法と並んで行政法の出題分野の中心を占めることが予想されます。平成12年に施行された情報公開法は、その後の平成15年に整備された個人情報保護関連法に一部の条文が移りました。これらの法律は、社会的な重要性が高まっていますので、今後も出題が増加すると考えられます。
行政行為、行政立法、行政強制などは、行政手続法など新分野の出題の増加に押されて一時出題が減少していましたが、最近では再び出題が増加される傾向を示しています。この分野は、出題の内容やパターンなどが一定していることから、得点源となる部分ですので、知識を正確なものにしておく必要があります。
行政救済法
行政救済法は、国家賠償法と行政事件訴訟法の出題比率が高いですが、ここ数年は行政不服審査法からも出題が増加しています。
また、行政事件訴訟法は平成16年に大改正が行われていることから、改正部分を中心に出題が増加することが予想されます。ただ、行政事件訴訟法は判例が増えている状態ですので、出題は法改正に偏らず、判例についても問われると考えられますので、準備が必要です。
また国家賠償法では、すでに多くの論点は出題されていることから、今後は出題の切り口を変えるなど、出題形式面での変化が予想されます。
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